インドがドローンに注力する要因として、ドローンを使用した軍事強化が挙げられる。
パキスタンとの国境付近では、謎のドローンの侵入が増え、薬物等の危険物の持ち込みやインド国内のパキスタン反乱者に武器の供給が行われていることが報告されている。
軍事強化から始まったインドのドローン事業だが、現在は多方面に利用拡大が進んでいる。
インドは2027年までに配達業界でドローン配送を実用化する予定とされており、ドローンを使用した配送は2027年までに、主要都市では約30%になると予測される。
ドローン配送の運用コストは、車両配送と比較して、40%から70%と大幅に低くなり、配送業界で特に注目されている。
スタートアップ企業Skye Airは、物流会社と協力し、グルガオンの住宅地に荷物を配達している。Ecom Expressもテストとしてドローン配送を行い、今後はバンガロールなどの他の主要都市に拡大を予定している。
また、ドローンの利用は被災地への物資提供にも使用されている。
モンスーンでインドでは洪水が発生しやすく、道路の冠水、土砂崩れが毎年発生している。
そのような災害時の救援の為にも、連邦民間航空省はドローンを利用しており、最大積載量が40kgのドローンが分断されたアクセスできない地域に必需品を配達することを可能にしている。
ドローンは緊急事態へのタイムリーかつ効果的な対応を確実にする可能性を秘めていると民間航空大臣は述べている。
救援活動を強化するために国内の様々な地域からドローンを調達する為に、多数のメーカーへアプローチしている。
インド政府は並行してドローンの国内製造を促進する為、ドローンの輸入禁止や国内規制の緩和、免許制度の廃止、企業に対する補助、農薬散布ドローン100機の配布等の政策を進めている。
モディ首相は、2030年までに世界のドローン製造の主要国になることを目標に挙げている。
一方で日本ではドローン配送は2022年に解禁されており、各社は2025年までに実用化を目標としている。
しかしながら、安全面などの課題が残り、ドローン産業においても日本は遅れを取る可能性高い。
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