インドと中国は2020年6月にヒマラヤ国境での軍事衝突以来、中国企業への投資や中国アプリの禁止、ビザの承認の遅延、旅客ルートの廃止を実施したことで、急激に悪化した。
インド政府高官は、国境問題が解決するまで、関係が改善することはないと述べていた。
しかしながら、2023年8月の南アフリカ首脳会議では、インドのモディ首相と中国の習近平国家主席は国境問題の解決を目指すことで一致しており、両国の問題解決の兆しが見えた。
2024年7月22日にインド政府が発表した経済調査報告書によると、中国からの投資を誘致する旨が提案がされており、インドの経済成長に中国の存在は必要不可欠な存在だと考えられる。
インドは国内製造を強化するために、ハイテク分野など一部の中国企業の投資制限を緩和し、米国への輸出を増やすことを計画している。
一方で6月には、中国はインドへ直行旅客便の再開を要請するが、国境紛争の為、インド側は要請を拒否している。
インドのビジャイ元外務大臣は2024年9月10日、今後10年間でインドと中国の間でさらなる戦争が発生し、関係は戦闘的になるだろうと述べており、インドと中国の戦闘は陸の国境だけでなく、インド洋にも中国の勢力が確認されている。
そのような関係でありながら、インドは中国との大きな貿易赤字という課題を背負っており、2022年から2023年の過去2年間で貿易赤字は約16%も急増している。
世界中の国が中国からの輸入を制限しているが、インドの輸入相手国の一位は2023年時点で中国である。2001年では、1位-中国、2位-アメリカ、3位-ドイツの輸入国の上位3か国が約5%前後で差がなかったが、2021年では中国の比率が上昇し、約30%が中国からの輸入ウェイトが高く、2位のアメリカは約3%まで減少。
中国からの輸入は、機会・電気機器、化学工業製品、金属製品の3つが上位を占めている。
この様な貿易赤字を食い止める為に、モディ主相が就任した2013年から掲げている、「メイク・イン・インディア」政策の下、国内製造をする外国企業向けには優遇策を講じ、外国企業へのインドでの生産を促進し対策を進めている。
日本とインドは、未解決の領土問題や歴史問題が存在せず、友好関係にある為、日本企業のインドへの進出は、今後さらに加速する事が予測できる。
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